クラテッロ(Culatello)講習会(添乗報告No.3)
2010.05.20
パルマの生ハム(プロシュート)は世界最高!
それよりも美味しいと言われる「クラテッロ」
第43回「ヨーロッパ食肉産業視察ツアー2010」
ハイライトのひとつ
イタリアはパルマ(Parma)から北へ30分、
コロルーノ(Colorno)での「クラテッロ講習会」

老舗レストラン「al Vedel(アルベデル)」さんに併設する

右が製造工場、
左が熟成庫(カンティーナ)への入り口です。

クラテッロの作り方、実演講習開始。
クラテッロに使うのは、
エミリア・ロマーニャ・ロンバルディアで
育てられた豚のみ
プロシュートには腿肉全体を使うが
クラテッロは一番美味しいお尻の肉しか使わない。

クラテッロに使うのは塩だけ。
つけ過ぎるとしょっぱくなり、
足りないと腐ってしまう
動脈部分は念入りに塩をして水分を取ります。
まさに塩梅(あんばい)はマエストロ職人技!

塩、黒コショウ、赤ワインを配合。
割とさくっと塩をすり込む
3時間で5~60本作るそうです。

驚くことにクラテッロは
「豚の膀胱(ぼうこう)」!に包んで熟成させます。
熱いお湯で洗って、ワインビネガーに漬け込んで
臭い抜きしたもの。

塩でなじませて6日寝かせた肉の塊を水で洗い、
豚の膀胱に詰める。
クラテッロに使わない、ももの部分で作る
「フィオッコ」は3日で洗う。
もちろん「クラテッロ」がずっと価値が高い。

紐で縫い上げます。
そう言えば「美味しんぼ」で、海原雄山氏曰く
お馴染みの粉チーズ、パルメザン・チーズは、
一般的にそう呼ばれているが、
本物のパルメザン・チーズと呼ぶことが出来るのは、
ここ、パルマで独自の方法で作られたチーズだけ
それをのみ
パルミジャーノ・レッジャーノと言うのだそうです。
つまり、最高の生ハムも本物のチーズもパルマで
作られていると言うことです。
そんなウンチクを思い出しながら、職人の話に戻すと
DOP(後述)の規制により、この地域で育った豚のみを使うが、
パルミジャーノ・レッジャーノを作ったあとに残る
ホェー(乳しょう)と
とうもろこしを食べさせているので
肉が美味しく、柔らかくなっているのだそうです。
聞いているだけで、添乗員よだれが・・・。

紐でコンパクトにする、
骨のある部分があいてしまうので注意

強く縛り、水分を抜く。

14~15ヶ月の200kgの豚を使う。雄雌両方使うが
オスは去勢をしないと臭くなる。
日本は110~120kgの豚を使うと言ったら
信じられない~と、びっくりされた(笑)
肉の部分は骨付きで、17kgほど
クラテッロを作るお尻の部分、新玉で8~9kg
熟成して、半分の4~5kgになるとのこと。

ほい、出来上がり~♪

3~7度の冷蔵庫で6日間寝かせる。
水分を出し、塩分を浸み込ませる。

のち、移動し、少し高めの冷蔵庫で休ませる。

保存剤もない昔からの手法で、自然の風土で
作られるため、近代的な設備や技術はありませんが
こんな管理メーターだけはありました。

日本から持参した「えころじ庵」店主イチオシの
「美味しんぼ81巻」
載っている漫画の顔に「ご存知?」と聞くと
「お~、マッシモ・スピガローリだ~♪」
「きゃあ~、パオロ! パオロ・トラメッリも、
ロマーノ・ゼラスキも出てる~!」と
げらげら~、と、めちゃ大ウケ!
お土産に差し上げました(笑)

さて、お次は「クラテッロの熟成庫」です。
製造工場のお隣、ヨーロッパ風お洒落な入り口から

一歩入って、もうびっくり!

「クラテッロ」・・・てんこもり熟成中!

なんとお見事!

素晴らしい!

あまりにも感動し過ぎて
シャッター押しまくり!

しつこい?
本当にすごいのです!

最低2年熟成させる。
クラテッロは生きている。
カビが生えてくるのを、20日おきくらいで
カビを落とし、肉に呼吸をさせる。
床に落ちたカビは香りに役立つ。

乾燥した肉をたたいて検査する。
たたいた音を聞いて、病気をしたことがあるとか
お尻を打ったことがある豚かわかる。
塩が足りなかったかどうかも、音でわかる。
検査に合格したもののみ市場に出る。
不合格は廃棄。(あぁ~もったいない)
写真上の窓 ↑ が、実は重要です。
窓からは、西から東への風が吹きます。
空気調整設備は一切なく、自然の空調
窓の開け閉めで温度と湿度を調整します。
この貯蔵庫の床の下は1メートル掘ったら水
湿気が多い環境です。
プロシュートは油があるが
クラテッロは皮が付いていなく、
むき出しのため湿気が必要なためです。

厳しい検査を通って初めて付けることが出来る
栄えあるラベル!
DOP(イタリア語:Denominazione di Origine Protetta)
デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・プロテッタは、
イタリアにおける原産地名称保護制度。
イタリアワイン、チーズなどの伝統的食材に対し、
品質管理と産品保護のため地域を指定した上、
基準を満たすものにのみ特定原産地の名称を付して
販売することを許可する制度。

伝統的な手法により製造されたものに限って
表示を付けることが許されている保護原産地表示。
「クラテッロ・ディ・ジベッロ」Culatello Di Zibello

昔と変わらない手法に、伝統と誇りを感じます。

とても親切に丁寧に講習してくださった
家族経営エンリコ氏の明るい奥さんと職人さん。

何度かポー川にかかるこの橋を渡りました。
霧でおおわれることが多いそうです。

↑ 美味しんぼ 81巻(P115)より抜粋
クラテッロはポー川沿いの八つの村でしか作れません。
湿気や気温・・・このポー川によって作られる
自然環境があればこそ作られると言うクラテッロ。
この土地でなければ作れない味。
ポー川は何年か毎に氾濫して、この辺り一帯
洪水に見舞われるそうですが
洪水の際、避難する優先順位は
最初にクラテッロ、そして女・子供
最後が男だそうです。

Podere Cadassa CURATELLO DI ZIBLLO DOP
長くなりました。
クラテッロ試食ランチは明日のブログへ続きます♪
...............................................................................................
第43回「ヨーロッパ食肉産業視察ツアー2010」
企画:株式会社食肉通信社
旅行企画実施:株式会社トラベルアイ
添乗員:えころじ庵店主
............................................................................................................................
↓クリックしていただけると大変励みになります

それよりも美味しいと言われる「クラテッロ」
第43回「ヨーロッパ食肉産業視察ツアー2010」
ハイライトのひとつ
イタリアはパルマ(Parma)から北へ30分、
コロルーノ(Colorno)での「クラテッロ講習会」

老舗レストラン「al Vedel(アルベデル)」さんに併設する

右が製造工場、
左が熟成庫(カンティーナ)への入り口です。

クラテッロの作り方、実演講習開始。
クラテッロに使うのは、
エミリア・ロマーニャ・ロンバルディアで
育てられた豚のみ
プロシュートには腿肉全体を使うが
クラテッロは一番美味しいお尻の肉しか使わない。

クラテッロに使うのは塩だけ。
つけ過ぎるとしょっぱくなり、
足りないと腐ってしまう
動脈部分は念入りに塩をして水分を取ります。
まさに塩梅(あんばい)はマエストロ職人技!

塩、黒コショウ、赤ワインを配合。
割とさくっと塩をすり込む
3時間で5~60本作るそうです。

驚くことにクラテッロは
「豚の膀胱(ぼうこう)」!に包んで熟成させます。
熱いお湯で洗って、ワインビネガーに漬け込んで
臭い抜きしたもの。

塩でなじませて6日寝かせた肉の塊を水で洗い、
豚の膀胱に詰める。
クラテッロに使わない、ももの部分で作る
「フィオッコ」は3日で洗う。
もちろん「クラテッロ」がずっと価値が高い。

紐で縫い上げます。
そう言えば「美味しんぼ」で、海原雄山氏曰く
お馴染みの粉チーズ、パルメザン・チーズは、
一般的にそう呼ばれているが、
本物のパルメザン・チーズと呼ぶことが出来るのは、
ここ、パルマで独自の方法で作られたチーズだけ
それをのみ
パルミジャーノ・レッジャーノと言うのだそうです。
つまり、最高の生ハムも本物のチーズもパルマで
作られていると言うことです。
そんなウンチクを思い出しながら、職人の話に戻すと
DOP(後述)の規制により、この地域で育った豚のみを使うが、
パルミジャーノ・レッジャーノを作ったあとに残る
ホェー(乳しょう)と
とうもろこしを食べさせているので
肉が美味しく、柔らかくなっているのだそうです。
聞いているだけで、添乗員よだれが・・・。

紐でコンパクトにする、
骨のある部分があいてしまうので注意

強く縛り、水分を抜く。

14~15ヶ月の200kgの豚を使う。雄雌両方使うが
オスは去勢をしないと臭くなる。
日本は110~120kgの豚を使うと言ったら
信じられない~と、びっくりされた(笑)
肉の部分は骨付きで、17kgほど
クラテッロを作るお尻の部分、新玉で8~9kg
熟成して、半分の4~5kgになるとのこと。

ほい、出来上がり~♪

3~7度の冷蔵庫で6日間寝かせる。
水分を出し、塩分を浸み込ませる。

のち、移動し、少し高めの冷蔵庫で休ませる。

保存剤もない昔からの手法で、自然の風土で
作られるため、近代的な設備や技術はありませんが
こんな管理メーターだけはありました。

日本から持参した「えころじ庵」店主イチオシの
「美味しんぼ81巻」
載っている漫画の顔に「ご存知?」と聞くと
「お~、マッシモ・スピガローリだ~♪」
「きゃあ~、パオロ! パオロ・トラメッリも、
ロマーノ・ゼラスキも出てる~!」と
げらげら~、と、めちゃ大ウケ!
お土産に差し上げました(笑)

さて、お次は「クラテッロの熟成庫」です。
製造工場のお隣、ヨーロッパ風お洒落な入り口から

一歩入って、もうびっくり!

「クラテッロ」・・・てんこもり熟成中!

なんとお見事!

素晴らしい!

あまりにも感動し過ぎて
シャッター押しまくり!

しつこい?
本当にすごいのです!

最低2年熟成させる。
クラテッロは生きている。
カビが生えてくるのを、20日おきくらいで
カビを落とし、肉に呼吸をさせる。
床に落ちたカビは香りに役立つ。

乾燥した肉をたたいて検査する。
たたいた音を聞いて、病気をしたことがあるとか
お尻を打ったことがある豚かわかる。
塩が足りなかったかどうかも、音でわかる。
検査に合格したもののみ市場に出る。
不合格は廃棄。(あぁ~もったいない)
写真上の窓 ↑ が、実は重要です。
窓からは、西から東への風が吹きます。
空気調整設備は一切なく、自然の空調
窓の開け閉めで温度と湿度を調整します。
この貯蔵庫の床の下は1メートル掘ったら水
湿気が多い環境です。
プロシュートは油があるが
クラテッロは皮が付いていなく、
むき出しのため湿気が必要なためです。

厳しい検査を通って初めて付けることが出来る
栄えあるラベル!
DOP(イタリア語:Denominazione di Origine Protetta)
デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・プロテッタは、
イタリアにおける原産地名称保護制度。
イタリアワイン、チーズなどの伝統的食材に対し、
品質管理と産品保護のため地域を指定した上、
基準を満たすものにのみ特定原産地の名称を付して
販売することを許可する制度。

伝統的な手法により製造されたものに限って
表示を付けることが許されている保護原産地表示。
「クラテッロ・ディ・ジベッロ」Culatello Di Zibello

昔と変わらない手法に、伝統と誇りを感じます。

とても親切に丁寧に講習してくださった
家族経営エンリコ氏の明るい奥さんと職人さん。

何度かポー川にかかるこの橋を渡りました。
霧でおおわれることが多いそうです。

↑ 美味しんぼ 81巻(P115)より抜粋
クラテッロはポー川沿いの八つの村でしか作れません。
湿気や気温・・・このポー川によって作られる
自然環境があればこそ作られると言うクラテッロ。
この土地でなければ作れない味。
ポー川は何年か毎に氾濫して、この辺り一帯
洪水に見舞われるそうですが
洪水の際、避難する優先順位は
最初にクラテッロ、そして女・子供
最後が男だそうです。

Podere Cadassa CURATELLO DI ZIBLLO DOP
長くなりました。
クラテッロ試食ランチは明日のブログへ続きます♪
...............................................................................................
第43回「ヨーロッパ食肉産業視察ツアー2010」
企画:株式会社食肉通信社
旅行企画実施:株式会社トラベルアイ
添乗員:えころじ庵店主
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コメント
FROGGYさま
やっぱりヨーロッパっていいですよね~
食都パルマ
芸術と食文化の奥が深い~♪
添乗員もだんだん太ってくるのは
仕方がないですな(笑)
食都パルマ
芸術と食文化の奥が深い~♪
添乗員もだんだん太ってくるのは
仕方がないですな(笑)
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職人技とその土地だからできる逸品。
すばらしい文化と技術のイタリアは
やっぱり最高ですね~!!